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MAKOTO

2008年公演

 

MAKOTO◆2008年11月21日(金)〜24日(月・祝)
THEATER BRATSにて

スタッフ

【作/演出】 夢野さくら
【音  響】 柴田 道幸 <ジョイサウンドプロモーション>
       水野 亮 <ジョイサウンドプロモーション> 
【美  術】 宮原 修一 <(有)きさらぎ舎>
【舞台監督】 上田 実
         岩戸 堅一 <Art Scene>
【照  明】 川本 友 <株式会社 川本舞台照明>
       大久保 尚宏 <株式会社 川本舞台照明>
【振  付】 柴田 直伸
【衣  装】 田中 美重
【演出助手】 田中 雄一朗 <劇団ロズノワール>
【チラシデザイン】 間瀬 恵
【協  力】  (有)だるま企画、TEAM JAPAN Spec.、(有)アクトレインクラブ
        ステラ・パートナーズ合同会社
【制  作】 木川 美由紀
【主  宰】 演劇ユニットスーパーコンプレックス

◆キャスト◆


  • 中牧 俊明  

  • 加藤 大騎   
  • 柴田直伸
    柴田 直伸

  • 黒木 麗太  
  • 奈良屋優季
    奈良谷 優季

  • 椿 克之 

  • 樋田 洋平

  • 杉本 大

  • Aking

  • 亀山 浩貴

  • 平井 こだち

  • そでなししゅう

ストーリー

Chapter1

不況の風に晒され、ここニューハーフバー「ピンクドルフィン」でも、客足が遠のいていた。にもかかわらず、明るさを失わない彼女(?)たち。さゆり(椿克之)の書く、訳の分からない小説に盛り上がり、ダンサー志望の鈴音(柴田直伸)は将来その主役を踊りたい!と夢を語る。そこに突然、性同一性障害を持つ男子高校生、吉岡真(中牧俊明)が働かせて欲しいとやってくる。事情を尋ねるママ琴美(加藤大騎)に、実は今、自分は女なのだと言う事を両親に打ち明け、その為家を追い出されたのだと話す真。そして真の父(黒木麗太)は、琴美が男だった頃勤めていた会社での、後輩にあたると言うのだ。そのうえ父は、琴美が女となった事実を雑誌で知った時にも「この人は素晴しい人だ。この人がそう決めたのだからそれでいい」と真に話していたという。そんな折、出場することすら難しいと言われる、クリスマス最大のダンスショー「カマナイト」へのエントリーが決まる!

シーン1シーン2

Comment〜舞台裏秘話

夢野さくら:この作品の主人公は性同一性障害を持つ男の子だったので、いつかは必ず男性を主役に上演したい!という夢がありました。初演から10年の時を超えてとうとうその夢が叶い、再再演と相成りました。
そしてこの公演は、ずっと一緒にスパコンの主宰をやってきてくれた彩子ちゃんが抜けて、単独主宰の初公演だったので、そういった意味でもものすごく意味があって、思い出深い公演となりました!

Chapter2

真の睾丸摘出手術が迫ってきていた。父哲也は、真が女だと言う事実を全く受け入れず、現実から背を向け、妻・美津子(奈良谷優季)との間にも深い溝が出来ていた。 真の告白から1年、美津子は真の性同一性障害を治す為、連日病院を回っていたが、結局、治す=性転換手術という事実に直面するしかなかった。睾丸を取ってしまったら、もう真は自分の子供を作る事が出来ない。子供を持つという何物にも変えがたい喜びを、あの子の手から奪ってしまう。だがこれ以上苦しんでいる真を黙って見ている事は出来ない。そう決心し、哲也に手術の事を打ち明ける美津子。取り乱し、妻に食って掛かる哲也。 その夫に「どんな姿になったとしても、真は私たちの子供です!」と言い切る美津子。その母に「私でごめんね」としか言えない真。そんな真を笑い飛ばし「あんたが理想の子」と話す美津子。真は母の小さな背中を見つめながら、黙って自分の平らの胸を触るしかなかった。

シーン3シーン4

Comment〜舞台裏秘話

夢野さくら:再演の時から主人公真の母役を熱演してくださっている奈良谷さん。今回も激しく揺れ動く母の気持ちを深く演じてくださいました! 奈良谷さんも私も母になったことはないのだけど、やっぱりこういう母性本能的なものって、女性のDNAに埋め込まれてるんでしょうかねぇ・・・。父役の黒木さんも、前回の「CHAIN CUTTER」同様全く笑うシーンのないキツ〜イ役でした。その代わり、SC写真館の方でお2人の舞台では観られない満面の笑顔を載せていまぁす!

Chapter3

初めての「カマナイト」で優勝を逃してしまった「ピンクドルフィン」。それでもその関連記事を読み、盛り上がる彼女たち。優勝目指し、必死で稽古をしたにも関わらず、数ヶ月前に起こったある出来事の為、思っていた結果が出せないでいたのだった。 実は、小雪(亀山浩貴)が当時付き合っていた桜井という男を、かれん(Aking)が「彼の方から言い寄ってきた」と開き直り、奪った形になっていたのだ。それから数ヶ月、やっと2人の仲も元に戻ってきた矢先、突然かれんが、桜井を振ったという事実が明かされる。 「どういうこと?」と詰め寄る小雪に、かれんは「振らなきゃならなかったから」と答える。実は桜井、かれんの初恋の相手だったのだ!一途に彼を思い続けた彼女に対し、桜井はかれんの存在すら思い出さない。好きな相手に忘れ去られる辛さを味わって欲しかったと、かれんは泣き崩れた。彼女の奔放に見えるその姿は、実は悲しさの裏返しだったのだ…。
シーン5シーン6

Comment〜舞台裏秘話

夢野さくら:カレンちゃん小雪ちゃんの一人の男性を奪い合うこのシーンは、いつもいつも本当に苦労するところ。初演の時も再演の時も本当に大変で、何度も何度も特打ち(抜き稽古のこと。スパコンでは特打ちといいます^^;)を繰り返しました。
でも・・・考えてみれば難しくてあたり前だよねぇ。彼らは純正(笑)の男性だもん。女心を理解しまくっていたら逆に怖い・・・。しかし役者さんというのは、「女として、男を死ぬほど好きになる気持ちを心の底から理解しろ!」なんていう演出家の無茶振りにも答えなくてはいけないのです(笑)。あ・・・今思い出したけど、ママ役の加藤さんが、「ママの気持ちをつかむためにホルモン剤(当然女性ホルモン)を飲もうかなぁと思っている」と爆弾宣言をしたことがありました。 もちろん「それだけは止めてください<(_ _)> お願いします! 少量でも体に影響が出る場合があります!」と必死に止めました。やりすぎは厳禁です(笑)

Chapter4

心労がたたり、ついに倒れてしまった美津子。動揺する哲也は「ピンクドルフィン」に乗り込み、無理矢理真を連れ帰ろうとする。そこに琴美が現われ「お久しぶりね」と話しかける。しかし琴美に対し、頑なな態度を取り続ける哲也。そんな哲也に「これからカマナイトのオーディションがあるから、まだ病院には行けない」と言い出す真。怒り狂い「お前は、俺や母さんの気持ちを全然分かっていない!」と決め付ける哲也。その時、今まで抑えてきた真の想いが爆発する。「じゃあ父さんに私の気持ちが分かる?男の身体の中に、女の心を入れて生まれてきてしまった私の気持ちが父さんに分かるの?!」それは、初めて聞く真の心からの叫びだった。どうしようもないその苦しさに接した時、哲也の心の中に、真が生まれた瞬間の喜びが蘇る。「あの時は嬉しかったな。男でも女でも、真って名前にするって、ずっと前から決めてたんだ。男でも、女でも・・・」。そしてカマナイトのステージの幕が上がる!

シーン7シーン8

Comment〜舞台裏秘話

夢野さくら:最後のダンスシーン・・・本当に苦労しました! みんな必死にがんばってくれてるんだけどなかなか上手くいかない。カレンちゃんはダンスのインストラクターでもあるので、振付の柴田さん(鈴音役)が稽古に来られない時には、みんなのダンスの先生をやってくれた。この教え方が本当に面白かった! ダンスが苦手な人というのは、当然振りを覚えるのも苦労する・・・ということで、柴田さんがつけた振りを、全て身近な動作に置き換えて説明していた。暖簾をくぐるようにも見える動き(?)には、「おかみさん! いらっしゃい!」などとリズムに合わせて言い、イメージをしやすくしていた。でも・・・イメージはしやすいんだけど、あまりの面白さに稽古場大爆笑で、しばらく稽古にはならなかったけど(笑)

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稽古場日誌
この公演はいかにして創られたのか!
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